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田辺三菱製薬 淡路 育弘 さん  (2/3)

公開日時 2016/03/31 00:00
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影響を与えた上司

執行役員 営業本部 副本部長 中田 繁樹 氏

 

営業本部 製品統括部長をしていた頃、淡路さんは、プロダクトマネジャーとして部員のひとりだった。気持ちは熱いし、やさしいところもあると感じていた。チャレンジして気持ちが先行していて失敗することもあった。当時、淡路さんは30代で一番成長する時期でもあり、大事な時期だと思ったので、一生懸命話をしたことを覚えている。マーケティングやマネジメントの話をよくした。ただ、それは理論であって、精神も大事。この2つのバランスが重要だと話していた。

 

2000年からのこの10年、15年は業績はあがったが、結果として製薬企業の質を落としてしまったと思っている。大規模臨床試験の結果やシンプルなメッセージで、シェア・オブ・ボイス(SOV)に代表されるようなパワーゲームをし、MRを一種のコールマシーンに変えてしまった。いま、原点回帰をして医療のパートナーを目指すことが必要だと考えている。ウエブを通じた情報提供も浸透しているが、製品を通じて医師など医療従事者とコミュニケーションをとる必要性はなくならない。それを現場で考えていかないといけない。答えは現場にある。市場が大きく変わる中で、医療業界の営業とはどうあるべきか。マネジャーとしてぜひ創造してほしい。彼なら必ずやると期待している。

 

 

担当施設医師から

自治医科大学 臨床医学部門 皮膚科学教授 大槻 マミ太郎 氏

 

乾癬の治療に生物学的製剤が登場し、患者会などの活動も活発になり、積極治療に向けての流れはできつつあるが、100%ではない。病診連携の構築も進めているが、栃木の県北や茨城県との県堺には、まだ埋もれがちで気の毒な患者もいる。

 

皮膚症状がなく、先に乾癬性関節炎が先行する患者が全体の10%程度いる。こうした初期症状で関節炎がある患者では、しかるべき患者がその恩恵を被れるように適切に紹介されているかというと、必ずしもそうでもない。患者と連携して市民公開講座を開催するなどして疾患啓発を行っているが、そこに企業がどう参画するかが重要だろう。

 

一度紹介患者が頭打ちになったことがあったが、最近になってまた患者数が増加してきている。皮膚科だけでなく他科から送ってくれるケースも増えてきた。病診連携がまだ十分でない地域に赴いて小規模の講演会を行うなどの活動が、少しずつ実ってきていると感じる。

 

そういう意味でいえば、複数の診療科に跨る製品をもつ企業が頑張ってくれるのは非常に嬉しいことだ。田辺三菱製薬でいえば、同じ免疫疾患でも、消化器内科や眼科の医師のもとにも訪問する。疾患領域によりMRを分ける体制を製薬企業はとってしまいがちだが、診療科の垣根を越えた研究会・講演会を開催するときはそういう会社のひとにお願いしたい。あまりひとつの診療科に特化してしまうと他科との情報を介した連携が抜け落ちてしまう。

 

いわゆる接待が遠い過去のものとなったいま、製薬企業は企画力で勝負しなければ生き残れない。病態生理学的に共通点のあるような複数の疾患についての適応症をもつ製品があるという企業としての強みを生かせば、頭の働かせどころがたくさんあるのではないか、と考える。

 

所属・肩書は取材時点のものです

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