日本卸蓮将来ビジョン策定、MSに新たな機能付与を
公開日時 2003/05/28 23:00
日本医薬品卸業連合会(松谷高顕会長)は5月28日開いた通常総会で、「医療
用医薬品卸売業将来ビジョン2003」を公表した。医療制度の改革が進むなかで
卸も転換点に立ったとの認識から、とくに「MS機能の再構築」を軸に今後取り
組むべき方向性を提示。情報提供活動を有償化するなど、“サービス業の付加”
の主役としてMSを再定義すべきとした。
ビジョンの策定は93年以来10年ぶり。当時は「多彩な保健医療サービスのコー
ディネーター」を到達目標に据えたが、現実にたどった道はビジョンから乖離
した。今回は環境変化を好機ととらえ、21世紀の成長産業である医療・健康分
野に挑戦していく姿勢を前面に打ち出した。
MSに関しては、卸機能を進化させる主役に位置づけた。近年、卸はコスト圧縮
からMSの数を減らしてきたが、医薬分業の進展と相まって処方元(医療機関)
へのプロモーションが手薄になれば売上総利益の低下にもつながると懸念。卸
業としての価値を高めるには、情報武装をキーワードにした行動が必要と指摘
した。
現在、卸が医療機関やメーカーに提供する情報はほとんどが無償だ。しかし、
添付文書改訂や副作用、製品回収、PMSなどを有償化することを視野に、MSを
「プロフィットセンター」とみなせば利益収穫の源泉になると判断。「認定MS」
を育成するなどで、卸の中で価値創出を担う存在にすべきと強調した。