日本イーライリリー
公開日時 2001/04/11 23:00
4月11日、代謝拮抗性抗癌剤ジェムザール注(一般名:塩酸ゲムシタビン)が同4日に「膵癌」の適応症で追加承認を受けたことに伴い、岡田周市・国立がんセンター中央病院内科医長による同適応の臨床試験結果の説明記者会見を行った。膵癌に対する海外のフェーズⅢ無作為化比較試験結果で、生存中央値(MST)が5-FUの4.4ヵ月に対して本剤5.7ヵ月、1年生存率では5-FUの2%に対し本剤18%と、生存期間において統計学的に有意な延長が示されている。また腫瘍縮小効果では、5-FUの奏効例なしに対し、本剤投与群5.4%だった。岡田医長は「腫瘍縮小効果があまり見られなくとも、全身状態・疼痛の改善という症状緩和効果が見られることが本剤の特徴」だとした。国内の膵癌年間死亡数は1万8600人(99年)で、年間発生数もほぼ同数。なお、本剤は99年3月に非小細胞肺癌の適応で承認を取得、96年に膵癌の適応でオーファンドラッグ指定を受け、2000年3月に適応追加を申請していた。