東和薬品 24年度は2ケタ増収増益 需要増で販売数が生産数超過 25年度は新製剤棟本格稼働で供給増へ
公開日時 2025/05/16 04:52

東和薬品は5月15日、2024年度の連結業績を発表し、売上高は前期比13.9%増の2595億円、営業利益は同31.7%増の232億円の増収増益だった。主に東和薬品において製品需要が高く販売数量が増加。三生医薬や海外セグメントのTowa INTでも業績が伸長した。吉田逸郎代表取締役社長は「需要が多く、生産が追い付かない状況」と説明。25年9月には新設した山形工場の製剤棟の本格稼働を控えており、「いかに需要に合わせて生産していけるか。それに向けて最大限努力していく」と述べた。
東和薬品単体の売上高は前期比15.5%増の1774億8100万円、セグメント利益は同23.4%増の251億6900万円だった。錠剤・カプセルのみの販売数量実績は同14.5%増の約152億錠で、生産数量実績の約143億錠(同5.6%増)を超えた。超過分は在庫を充てることで対応したという。また、長期収載品の選定療養の影響について、大石康之執行役員営業本部長は「正確に切り分けるのは難しい」とした上で「市場全体で4~5ポイントほど伸長があったと捉えている」と述べた。
同社では、安定供給体制の確保に向け、山形工場に第三固形製剤棟を新設。現在はバリデーションを進めながら25年9月に本格生産開始を予定している。これにより、25年度の生産数量は前期比13.2%増の約162億錠と計画。販売数量の約160億錠(同5.2%増)を超える見通しだ。設備導入は計画通りに進捗しており、「27年3月期に年間175億錠を実現すべく、26年3月期はその中間の位置づけとしている」という。
25年度の連結業績計画も山形工場の増産による供給量増加を見込み、売上高は前期比7.9%増の2800億円、営業利益は16.2%増の270億円と増収増益の見通しを示した。
また、24年度実績や増産体制の着実な進捗から、26年度までの中期経営計画で掲げた累計の営業利益目標(連結)を「680億円以上」から「800億円以上」と上方修正した。