医療保障政策研究会議
公開日時 2002/06/26 23:00
26日、「21世紀の医療制度を考える-連続シンポジウム第3回」を開催。パネラーは開原成允・国際医療福祉大学医療経営管理学科長、木村佑介・木村病院院長/東京都医師会理事、古城誠・上智大学法学部教授、鴇田忠彦・一橋大学経済学研究科教授、古都賢一・名古屋大学法学部助教授。総合司会は南部鶴彦・学習院大学経済学部教授。 大内講一・日本福祉大学経済学部教授の進行で、まず、各パネラーが自論を説明。それを受けて、南部氏が①混合診療の容認は、日本の医療制度の改革の大きな突破口になるということはパネラー全員が一致。しかし、そのための議論の場が不十分②日本では、医療に「衡平性」を求める傾向が他国よりも強いが、医療資源の「衡平」な分配を考えるとき、経済学の「羨望」の概念を重視しすぎると、国民全体が不満足な状態になる③混合診療容認で、保険診療の中身もよくなるのかについては、財政的・質的双方の側面から考える必要があると、問題を提起し、会場からの質問にも答える形で活発なディスカッションが繰り広げられた。 混合診療を、ネガティブリストかポジティブリストかのいずれで認めるかについては意見が分かれたが、混合診療は、医療に求められるものが量から質へと変わっていくなかでの経過的措置であり、公的医療保険制度が成熟・老化しつつある今、標準的診療としての保険診療との最適な組み合わせを模索していくことが不可欠であると一致して、幕を閉じた。