三共 中期計画を「下方修正」
公開日時 2003/05/18 23:00
三共は5月16日、05年度(06年3月期)までの中期経営計画について、最終年の売上高6000億円、営業利益650億円に見直した。01年の策定当初はそれぞれ6510億円、850億円としていたが、大幅に下方修正した。高脂血症治療剤「NK-104」、高血圧症「カルブロック」の売上計画が当初より下回ったことが主な原因。同社は、「(当初計画は)不確定要素が含まれていたが、今回のものは確実性が高い」と説明している。提携先の興和から導入のNK-104は、セリバスタチンの副作用(横紋筋融解症)問題で慎重審査が続き、当初見通しより大幅に遅れこのほど厚生労働省の薬食審・部会を通過。当初見込んでいた05年度の売上予測を430億円下方修正した。カルブロックは、高脂血症治療剤との併用時の安全性確認に関する厳格な市販後調査でプロモーションが限定され、約80億円下方修正した。また、ゲノム関連研究を始めとする研究高度化、開発品目のステージアップ、製品育成試験などへの追加投資で、研究開発費を年間750億円から950億円に引き上げた。こうしたことから営業利益は02年の798億円から順次下がるが、04年の530億円を底に、05年には650億円に好転する見込み。新計画では、グループ内の事業再編、機能再編に着手。医薬品事業に集中するため、非医薬品事業は、赤字あるいは業界平均程度の収益性を確保困難な場合、売却または精算する。アウトソーシング化を推し進めるとともに、新会社設立などでサプライチェーン機能を再編する。本社管理部門を戦略業務に特化しスリム化を図る。こうした取り組みでコストを年間80億円以上削減、従業員の新会社、アウトソーシング先への転籍を図る。特許切れで売上減が懸念されるメバロチンの「ロングセラー化」のために、国内では付加価値をさらに高めるとともに、海外では、アスピリンとの配合や、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社が進めるスイッチOTC事業に参画する。一方、血圧降下剤「オルメサルタン」を、グローバル売上1000億円、国内ピーク時400億~500億円以上の大型品への育成を目指す。