永山製薬協会長 技術革新を薬価に組み込む必要性指摘
公開日時 2003/05/22 23:00
日本製薬工業協会の永山治会長は5月22日記者会見し、04年度薬価改定に向けた薬価論議について「国家財政が逼迫していることから依然として厳しい論議が予想される」と述べ、短期的な視点から論議が行われる見通しを示した。そのうえで、「製薬協が目指す創薬の国際競技場の具体化や新しい研究開発、ライフサイエンスの振興を中長期的に薬価の面から考えると、イノベーションに対し価値に見合った薬価をどうつけるかが大きな課題」と指摘。「日本の変遷を振り返ると、類似薬効比較が使われる可能性は高いが、これから出てくる技術革新をどう評価するか。類似薬効比較に加え、技術的ブレークスルーや医療経済的評価を薬価に組み込む必要がある」と強調。「バイオロジックス(生物由来製品)の割合が増えつつあるが、タンパクの生産など製造技術で相当大きな技術革新が起こる。そうした革新も一つの要素に入れていく必要がある」と主張した。また、久々に登場した革新的な医薬品が、古くて薬価が低すぎる比較薬に引きずられ、低薬価となることがないよう特別な加算をつける必要性を指摘した。