小野薬品 米国イーライリリー社との独占ライセンス契約を解消
公開日時 2003/05/27 23:00
小野薬品工業は5月27日、00年6月に米国イーライリリー社と締結した急性肺障害治療薬「シベレスタット」(日本での製品名:注射用エラスポール100)の日本・韓国・台湾を除く全世界での開発・製造・販売に関する独占ライセンス契約を解消したと発表した。小野薬品が開発したシベレスタットは、日本では02年4月に「全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害」の適応で承認を取得、6月17日に発売し、02年度23億円を売り上げた。しかし、欧米を中心にイーライリリー社が実施したフェーズⅡでは有効性を立証できなかった。日本で承認された適応症とは必ずしも一致しないうえ、日本では除外された幅広い患者層を対象にしていた。また日本と比べて肺障害の程度が重症な患者がより多く含まれていたという。しかし、第23回国際救急医学会議で治験責任医師の代表者が、海外治験で対象となった患者の中から、日本の臨床試験と同様の患者集団を抽出し解析した結果、小野薬品が日本で実施したフェーズ3の成績と同様の傾向が示されたことを発表している。このため、小野薬品では独自で臨床試験を実施するか、新たな導出先を探し、引き続き国際展開を図っていく方針。