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厚労省・懇談会 製薬協会長など意見陳述

公開日時 2003/07/02 23:00

厚生労働省は7月2日、第2回医薬品産業政策の推進に係る懇談会を開き、製
薬団体代表らから意見聴取した。各メーカー団体は、国際競争力強化のための
国の役割を強調。不合理な再算定廃止といった薬価引き下げ策是正などを求め
たが、これに対し健康保険組合連合会の下村健副会長は、「国により事情が異
なり、単純に国際比較はできない」と応じた。

口火を切った日本製薬団体連合会の藤山朗会長(藤沢薬品工業会長)は、薬価
制度について(1)医療費に占める割合は政策目標レベルまで下がっており、
とくに特許期間中の引き下げ中止(2)合理的理由のない再算定是正(3)比
較対象のない画期的新薬の正当な評価――などを訴えた。日本製薬工業協会の
永山治会長(中外製薬社長)は、研究開発促進税制や治験活性化を指摘。とく
に、治験について、「スピードアップ、コストダウン、内容が競争力の原点」
として、医療機関のインセンティブを高めることや、手続きの簡便化を求めた。

米国研究製薬工業協会(PhPMA)のアラン・B・ブーツ在日執行委員会委員長
(ファイザー製薬社長)は、「利益水準が高かったころに海外に移行した企業
は成功を収めているが、これからの進出は課題が大きい」と述べた。一方、欧
州製薬団体連合会(EFPIA)のマーティン・ライト在日執行委員会会長(アス
トラゼネカ社長)は、研究開発基盤がここ数年で日本や欧州から米国に移行し
ている実情を説明、「米国では新薬が早い段階で上市され、患者も早い段階で
メリットを享受している」と危機感を示した。

これらに対し、下村氏は、「米国で新しい薬へのアクセスが容易だと言っても、
皆保険でないなど事情が違う。企業側からは経済的な側面の議論が多いが、薬
価には社会的、政治的要素もある」と、疑義を唱えた。

一方、日本医薬品卸業連合会の松谷高顕会長(東邦薬品社長)は、(1)かつ
ての流近協(医薬品流通近代化協議会)に代わる、メーカー、卸、病院団体、
医師会、薬剤師会が相互に協議できる新たな場の設置(2)薬価改定ルールが
中途半端な状態で、以前のような中期的な安定したルールが必要――と訴えた。

同懇談会は、医薬品産業将来ビジョン・アクションプランの進捗状況について
各業界関係者からヒアリングする目的で開催。最終となる次回は7月10日、後
発品メーカー団体や日本医師会代表らが意見陳述する。

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