厚労省・委員会 事故報告対象は結果かプロセスか
公開日時 2003/07/29 23:00
厚生労働省は7月29日、国立病院や大学病院などで発生した医療事故について
第三者機関への報告を義務付けるための「事故報告範囲検討委員会」(委員長・
前田雅英東京都立大法学部長)第1回会合を開いた。報告対象について、結果
の重大性とプロセスのどちらを重視するかで委員の意見が分かれ、次回以降、
調整を図る。同省は04年度予算概算要求で「事故情報の集積・分析システム」
構築を掲げており、同委は年末をめどに意見書を取りまとめる。
この日の会合では、欧米の先進事例について事務局が説明。委員から、「再発
防止を図るのか処罰のためかで報告の対象が違ってくる」と、報告があくまで
も予防目的であることを確認する発言があった。また、患者の死亡や永続的な
障害など重大な結果を招いた事故を対象とすることは委員のほぼ共通した意見
だったが、「(結果を重視すると)事故との因果関係が不透明なのに患者側に
誤解を生じさせたり、報告が遅れる原因となりかねない」との反論も挙がった。