医療フォーラム 中医協委員が論戦
公開日時 2005/02/02 23:00
医療フォーラムが2月2日開いたセミナーのパネルディスカッション「医療制
度改革の方向」は、中医協・診療側委員の松原謙二日本医師会常任理事、漆畑
勝日本薬剤師会副会長と、支払い側委員の対馬忠明健康保険組合連合会専務理
事が、それぞれの立場で論陣を張った。医薬分業に関し松原氏が「診療科にも
よるが、自分の患者に最後まで責任を持つため院外処方はしない」と述べたの
に対し、漆畑氏が、「全国の処方せん受取率が50%に達しており、このあたり
で改めてこの議論をしなければならない」と応じた。
また、医薬品の流通改善に関連し、対馬氏が「(取り引きの)データ確保が薬
価改定の生命線。きっちり出して欲しい」と要望。一方、松原氏は、「薬価差
のほとんどなくなった現在では、医師は患者に最も適した薬を出している。市
場価格に合わせるのが果たして適切か」と、現行薬価制度の抜本改革を求めた。
さらに、後発医薬品について松原氏は、「開発した企業に任せるのが一番よい
という判断」で、率先して使用していない実情を示した。後発品の問題に関し
て漆畑氏は、「現在の賛否の議論は感情論になっており良くない」とした。
小児救急医療の評価といった課題については、共通認識が得られた。