中医協・総会 クレストール「10mg」薬価収載延期
公開日時 2000/03/08 23:00
中医協・総会は3月9日午前、新医薬品の薬価収載をめぐり、アストラゼネカ
申請の高脂血症用剤「クレストール錠」(一般名:ロスバスタチンカルシウム)
で、3規格のうち最大の「10mg」について、薬価算定組織がルールに従い算定
した薬価335.00円が「高すぎる」ことを理由に、継続審議となった。4月をめ
どに再度、同組織で会合を開き新たに算定し総会に掛ける見通しで、予定され
ていた3月18日収載は不可能になった。厚生労働省保険局の麦谷眞里医療課長
によると、一部の規格のみ収載を延期するというこのようなケースは前例がな
いという。
「5mg」を汎用規格として外国調整を行い、規格間調整すると、諸外国のケー
スに比べ、「10mg」が極端に高くなるというのがその理由。2.5mg(91.00円)、
5mg(174.60円)は了承された。保険医療臨床現場では当面の間、10mg投与が
必要な場合には、5mgを2錠投与することになる。
同剤は国内6番目のスタチン系製剤で、同組織によると、アトルバスタチンカ
ルシウム(商品名:リピトール錠)を最類似薬とした類似薬効比較方式(1)
で算定、有用性加算(2)がついた。調整前169.80円の5mgは、欧米で唯一上
市されている米国で2.52ドル(272.70円)だとして、174.60円に調整した。
規格間調整により、「10mg」は2倍近い335.00円になる。ところが、米国で
は「10mg」も5mgと同じ2.52ドル、英国ではさらに安い0.644ポンド(127.40
円)で、米英2国による外国平均価格は200.10円になる。これは米国の5mg
(272.70円)より安く、国内薬価と矛盾するとの意見だ。【詳細は10日付掲載】