政府は８月22日、医療分野の研究開発推進に貢献した功績を称える「第６回日本医療研究開発大賞」を発表した。極めて顕著な功績が認められる事例に贈られる内閣総理大臣賞には、第一三共の「DXd-ADC技術(革新的抗体薬物複合体技術)の開発による新規がん治療薬の創製」が選ばれた。このほか、健康・医療戦略担当大臣賞には塩野義製薬らの「新型コロナに対する下水疫学調査の実装」が選出された。23日に首相官邸で表彰式が行われる。

内閣総理大臣賞に選ばれた第一三共の「DXd-ADC技術の開発による新規がん治療薬の創製」では、DXd-ADC技術を開発し、乳がん等に強力な効果を示す新規がん治療薬トラスツズマブデルクステカンを創製。技術を適用した他の5つの新規がん治療薬候補の開発も進行中で、がん治療へのさらなる貢献が期待できることが功績として認められた。

受賞は以下の通り。
▽内閣総理大臣賞：第一三共
「DXd-ADC技術(革新的抗体薬物複合体技術)の開発による新規がん治療薬の創製」

▽健康・医療戦略担当大臣賞：塩野義製薬、AdvanSentinel、北島正章氏(北海道大大学院工学研究院 准教授)
「新型コロナに対する下水疫学調査の実装」

▽文部科学大臣賞：国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子生命・医学部門
「重粒子線治療の研究開発と普及」

▽厚生労働大臣賞：メディカロイド社
「手術支援ロボット「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の開発」

▽経済産業大臣賞：トプコン社
「眼科用光干渉断層計の研究開発と実用化及び普及」

▽スタートアップ賞(健康・医療戦略担当大臣表彰)：Chordia Therapeutics
「RNA制御ストレスを標的とした抗がん薬の開発」

▽スタートアップ奨励賞(ファイナリスト)：Luxonus、ジャパンメディカルデバイス、Magic Shields、Axcelead Drug DiscoveryPartners、アイ・ブレインサイエンス

▽AMED理事長賞：江島広貴氏(東京大大学院工学系研究科マテリアル工学専攻准教授)、塩飽裕紀氏(東京医科歯科大大学院医歯学総合研究科精神行動医科学分野テニュアトラック准教授)、髙木聡氏(がん研究会がん化学療法センター基礎研究部研究員)、武内俊樹氏(慶應義塾大医学部小児科学教室専任講師)、星野歩子氏(東京大先端科学技術研究センター細胞連関医科学分野教授)