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国循・大津理事長 循環器領域で世界最高峰を実現するビジョン公表、創薬、再生・ゲノム医療など7分野

公開日時 2022/04/21 04:50
国立循環器病研究センターの大津欣也理事長は4月20日の記者懇談会で、「大津ビジョン “循環器領域における世界最高峰の機関を目指して”」を公表した。ビジョンは循環器病克服を目指した病因、創薬研究、再生医療、ゲノム医療など重点7分野を掲げ、実践する研究環境を整備する。大津理事長はビジョン策定の背景について、「医学研究における日本の地盤沈下に危機感を持っている」と指摘。循環器領域で世界最高峰の研究成果やFirst in Humanを含んだ診療実績を有する機関を目指し、さらに産学連携の推進を通じた研究成果の社会還元に注力する考えを強調した。今月中にロードマップ案を策定し、「職員一丸となってと取り組む」と表明した。

大津ビジョンでは、重点的に取り組む7分野を選定した。①循環器病克服を目指した病因、創薬研究、②再生医療、③ゲノム医療、④予防・社会医療、⑤医療機器の開発(人工心臓、ECMO)、⑥医療情報の活用、AI、DX、⑦大規模臨床試験の実施-。創薬研究について大津理事長は、「臨床での治療成果を研究所にフィードバックし、病院の究明につなげ、それをもとに創薬研究につなげる。また、研究所から病院へのトランスレーショナル研究、病院から研究所へのリバーストランスレーショナル研究の好循環を生み出す」との方針を示した。

◎再生医療「国循がもっと積極的にチャレンジする分野」


再生医療について大津理事長は、「国循がもっと積極的にチャレンジしていく分野」と位置づけ、研究所と病院のスタッフが連携して基礎研究と臨床研究を融合させて治療での応用を目指すとした。ゲノム医療については、臨床診断に直結するゲノム医療中核拠点病院およびネットワークハブ基幹施設を目指し、ALL JAPANで循環器ゲノム医療の臨床診断システムと治療開発を可能にするシステムを構築する。このほか国循の各診療科の医療情報をAIやデジタル技術を活用して統合し、「様々な治療法の検証や新たな治療法の開発」に活かすなど、医療DXに取り組むとした。

◎財政基盤の強化策 委託業務見直しや価格交渉力強化なども

病院運営の改革にも触れ、データドリブン型循環器医療の推進や、看護師・メディカルスタッフによる研究支援、地域の医療機関、保健福祉医療関係者との信頼関係の構築、インバウンド患者の受入れなどの項目を掲げた。さらに財務基盤の強化では、委託業務の見直しや価格交渉力の強化なども明示。企業との共同研究や知財戦略の強化等による研究成果のマネタイズ化の推進や寄付の積極的な獲得なども盛り込んだ。

◎4月中にロードマップ案策定 PMOを設置してタスク実現を支援

ビジョン実現にむけて大津理事長は、4月中に各項目をタスクに分け、ロードマップ案の策定に取り組む方針を明らかにした。また、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を設置し、タスクの実現を支援。「ビジョンの実現に向けて、私が先頭にたって職員と一丸になって取り組む」と表明した。

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