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CHMP AADC初の治療薬Uptazaなど4品目承認勧告

公開日時 2022/05/27 04:50
欧州医薬品庁(EMA)ヒト医薬品委員会(CHMP)が5月16日~19日の日程で開催され、PTC Therapeutics International Limited社の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症で初の遺伝子治療製品Upstaza(eladocagene exuparvovec)を含む4品目について承認勧告を行った。EMAが5 月20日、発表した。

承認勧告を受けた製品は以下の4 品目。(製品名、一般名、企業名、適応症、摘要の順)

*Upstaza(eladocagene exuparvovec)2.8 ×1011ベクター・ゲノム/0.5 ml点滴用液。PTC Therapeutics International Limited社。18か月以上の小児および成人におけるAADC欠損症。AADCは、神経伝達物質であるドパミンやセロトニンを合成する酵素で、同酵素を先天的に欠損している患者は運動障害、知的障害、自律神経症状などを発現する。同剤は、脳の皮殻部位にAADC酵素をコード化した遺伝子を挿入する遺伝子療法である。同療法は、先進医療製品のため、CHMPは、先進医療委員会(CAT)の評価に基づき、承認勧告を行った。

*Cevenfacta(エプタコグベータ、活性型)注射用粉末および溶解液。Laboratoire francais du  Fractionnement et des Biotechnologies(LFB)社。成人および青少年(12歳以上)の先天性血友病患者における出血エピソード。同剤は、遺伝子組み換え血液凝固VII因子製剤である。

*Xenopozyme(オリプダーゼ・アルファ)点滴用濃縮液用粉末。Genzyme Europe BV社。酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)A/B型もしくはB型における非中枢神経(全身の各臓器など)症状の治療。ASMDは、ライソゾーム病の一種で、脂質であるスフィンゴミエリンを分解する酵素が先天的に欠損しているか、機能が不十分な場合、肝臓、脾臓、肺などにスフィンゴミエリンが蓄積し、様々な症状を発現する。同剤は、スフィンゴミエリナーゼという酵素の補充療法である。同剤は、EMAの迅速評価プログラムの対象となった。

*Zokinvy(lonafarnib)50mgおよび75mgハードカプセル。EigerBio Europe Limited社。ハッチンソンギルフォード早老症もしくはプロッセシング欠損プロジェロイド・ラミノパチーの確定診断をされた12ヶ月以上の小児。同疾患では、小児が遺伝子の異常でプロジェリンという異常タンパクが産生され、細胞に変化を及ぼし老化現象と酷似した兆候を出現するほか、糖尿病、冠動脈疾患、脂質異常症、皮膚潰瘍などを併発しやすい。多くは10歳代で死亡するという。同剤は、消化管・代謝用薬に属するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤と呼ばれる薬剤で、細胞内における異常タンパクのプロジェリンもしくはプロジェリン様タンパクの形成を阻害し、細胞機能の維持を図る。
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