はじめにEBM（Evidence-BasedMedicine：根拠に基づいた医療）という考え方は、提唱されてから既に20年近くの年月が経過していることもあり、一時のコンセプトだけが先行した状況から、最近ではEBMのアプローチで得られたエビデンスを基に、診療ガイドラインがまとめられるケースもあるなど、徐々にではあるが臨床現場に浸透してきている。その一方で、製薬企業における業務オペレーション（企業の実務）の現状は、顧客第一主義を標榜しながらも、顧客からのニーズとして顕在化しつつあるこのEBMを適切にサポートするように設計され、また管理されているとは必ずしも言えない。すなわち、製剤の有効性と安全性を適切なエビデンスとして提供できるように業務オペレーションとマネジメント体系が設計されているとは言い難...