中医協
公開日時 2001/07/24 23:00
7月25日、診療報酬基本問題小委員会は、1回の投薬で1剤あたりの薬剤費が205円以下なら薬剤名の記載は不要とする205円ルールの見直しを今後の審議事項として位置付け、議論していくこととした。この日の予定議題の審議が終了した閉会間際に支払い側の加藤委員(化学産業労働組合連盟執行委員長)が、205円ルールの見直しは (1)支払い側として要請しつづけてきた (2)全国紙が大きく報じた (3)総合規制改革会議が見直しを提言した中間報告に対し厚労省は中医協で検討すると答えた――とし、厚労省の見解を求めた。これを受け、保険局の松谷医療課長は、「去年も中医協で議論され、昨日の総合規制改革会議でも指摘された」とし、「中医協の審議事項」とする考えを示した。これに対し、診療側の菅谷委員(日医常任理事)は、新聞報道は悪意を持った人の話を伝えたものとし、その記事を前提とするのであれば了承できないと強く反発。しかし、支払い側は下村委員(健保連副会長)が「われわれは不正と断定してはいない」、若杉委員(日経連社会保障特別委副委員長)も「(205円ルールによる薬剤費請求額が)1兆7000億円となれば、全体の医療費抑制の面からも看過できない」などと一斉に攻勢に出た。星野委員長(中医協会長、総合研究開発機構特別研究員)は、このやりとりをまとめ、「これらの意見を頭に入れながら審議していく」ものとした。205円ルールでは、医療機関は薬剤名を書かずに診療報酬の請求ができるため、投薬せずに請求する架空請求や過剰請求、また適応外使用も可能であり、不正請求の温床との議論は国会でもあった。「1剤」は1日分の服薬条件が同じもの(食後3回など)であれば、薬効が違っても、まとめて「1剤」と数える。