万有製薬
公開日時 2001/09/20 23:00
9月21日、同20日付の医学雑誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』に掲載された、Aii受容体拮抗剤ロサルタン(国内製品名:ニューロタン)の2型糖尿病性腎症患者に対する腎保護作用が明らかになった国際共同治験RENAALについて説明会。 RENAALは日本を含む世界28ヵ国1513例を対象に実施されたプラセボ対象多施設無作為化二重盲検比較試験で、日本人の参加は96例。ロサルタン群751例、プラセボ群762例、平均観察期間は3.4年間。その結果、ロサルタン群はプラセボ群に比べ、第1次エンドポイントとして透析あるいは腎移植を必要とする末期腎不全への進行リスクを28%、第2エンドポイントとして尿蛋白を35%いずれも有意に減少させた。万有はこの結果から、国内の蛋白尿を伴う2型糖尿病患者約20万人に対する医療経済学的効果は、3.5年間で末期腎不全にかかる医療費が約940億円節約されることになるとしている。 同試験に参加した黒川清・東海大学医学部長は、糖尿病性腎症を合併する患者では最初に腎保護作用のあるACE阻害剤やAii受容体拮抗剤を使用し、降圧効果が不十分であればCa拮抗剤を追加することが望ましいと指摘。また日本にとっては国際共同治験に初めて参加したという点で意義があると評価した。