ヘルスケアインフォメーションセンター(協賛:三共)
公開日時 2001/10/21 23:00
10月18日、メディアワークショップ「日本初の大規模臨床試験KLISから学ぶこと」。 KLIS試験(Kyushu Lipid Intervention Study)は、九州・沖縄地区の日本人男性〔45~74歳、総コレステロール(TC)220mg/dL以上〕を対象にプラバスタチンの冠動脈イベントおよび脳梗塞初発抑制効果を検討した日本初の大規模臨床試験。患者エントリーは91年~93年、追跡期間は約5年間。登録数は5640例であったが、無作為化割り付けが均等に行われなかったため、解析対象はプラバスタチン(P)投与群2219例、対照群の従来治療法群1634例。従来治療法は食事・運動療法に加え、プロブコール、ベザフィブラート、スタチン以外の高脂血症治療剤を投与した。 その結果、TC低下率はP群15%、対照群8%となり、イベントの発症率は、P群は対照群と比較して、冠動脈イベントで14%、脳梗塞で22%低下した。P群の服薬良好群では発症率はより顕著に低下し、冠動脈イベントと脳梗塞を合わせた発症率の低下は27%と対照群に対し有意差が認められた。 佐々木淳・国際医療福祉大学大学院教授は、KLIS試験で示されたイベント低下率と総コレステロール低下率は、海外での大規模臨床試験の平均とほぼ重なるものであったと評価。安全性の面から、イベント発症抑制にはTCは15%、LDL-コレステロールは20~25%低下させれば十分との考えを示した。