アストラゼネカ
公開日時 2001/10/17 23:00
10月16日、第12回ヘルスケアフォーラム21「肺癌の分子標的治療」。 曽根三郎・徳島大学医学部内科第3講座教授は、従来の化学療法剤は寛解が得られても骨髄抑制などの副作用により継続投与では限界があると指摘、分子標的治療剤は癌の悪性化に関わる分子(増殖因子、浸潤・接着関連分子、血管新生因子、癌抗原ペプチド)を標的とした薬剤で、骨髄抑制もなく長期投与が可能な、肺癌克服の新たなアプローチであるとした。今後の課題として「臨床効果の評価」をあげ、分子標的治療剤では腫瘍の縮小効果だけでなく、腫瘍の安定化(SD)・不変(NC)についても考慮すべきとの考えを示した。 アストラゼネカが開発中のEGF(ヒト上皮増殖因子)レセプター阻害剤ZD1839の非小細胞肺癌を対象としたフェーズⅠでは、50~525mg/日を1日1回14日間経口投与により、CR(完全寛解)+PR(部分寛解)は12%、CR+PR+NC(不変/安定)は36%、主な有害事象は皮疹20%、悪心16%、肝機能障害16%などとなったことも紹介した。