ファルマシア社 末端肥大症治療薬ソマバートを欧州委が承認
公開日時 2002/11/21 23:00
ファルマシア社は11月21日、欧州委員会が末端肥大症治療薬「ソマバート」(一般名:ペグビソマント)を承認したと発表した。ソマバートは、成長ホルモン受容体拮抗剤で、成長ホルモンの作用を特異的に阻害するために開発された初の医薬品。手術や放射線療法が奏効しなかった患者、ソマトスタチン誘導体(成長ホルモン分泌抑制剤)でIGF-I(インスリン様成長因子Ⅰ)の濃度を正常にできなかった患者、もしくは、ソマトスタチン誘導体に対する忍容性に問題のある患者の治療に使用される。臨床試験は、1つの無作為試験と、2つの長期オープンラベル用量適正化試験が行われ、長期試験にて、患者の90%以上にIGF-I濃度の正常化が認められた。末端肥大症は患者の短命化につながる重篤な疾患であり、主として下垂体腫瘍が引き起こす成長ホルモンの過剰分泌によって発症する。成長ホルモンが過剰分泌されると二次ホルモンであるIGF-Iも産生過多となるため、手足などに症状が発現するとともに長期にわたる関連疾患にもつながる。末端肥大症の患者は、欧米、日本の合計で約4万人と推定されるが、症状が出始めてから診断まで最大15年かかることから有病率はこれを大きく上回るものと考えられている。米国では、現在FDAによる審査が行われており、日本では、承認申請準備中。