米メルク社 ロサルタンは心血管系の低リスク患者にも有用
公開日時 2002/11/20 23:00
米メルク社は11月20日、高血圧症治療薬ロサルタンの大規模臨床試験LIFEのサブ解析結果が、米国心臓病会議で発表されたと伝えた。LIFEは左室肥大を合併した高血圧患者9193例を対象に、心血管系疾患による死亡とその発症に対するロサルタンの効果を、すでに確立された有用性をもつβ遮断薬アテノロールをベースにした治療と、長期にわたって比較検討した大規模臨床試験。今回のサブ解析は、LIFEに参加した患者のうち、心血管系疾患を合併していない高血圧患者6886例を対象に実施したもので、試験の主要評価項目である「心血管系疾患死、心筋梗塞、脳卒中」の発症リスクを19%優位に減少させるなど、リスクの低い高血圧患者にも、ロサルタンの有用性が確認された。LIFEでは、患者背景別にロサルタンの有用性を検討した24のサブ解析が実施されている。日本国内の高血圧症患者は約3300万人、うち治療を受けている患者は約1000万人と推定される。また、ロサルタンは、国内では、万有製薬がニューロタンという製品名で98年8月から販売している。