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厚労省 ファモチジン副作用報告遅延で山之内製薬を指導へ

公開日時 2003/06/24 23:00

山之内製薬がスイッチOTCとして発売した胃腸薬「一般用ファモチジン製剤」
(商品名:ガスター10など)の副作用が原因と見られる、死亡2例を含む重篤
な症例について、薬事法で定められた期限内に報告がなかったとして厚生労働
省は6月24日、同社に対し、(1)医薬品の適正使用のための体制確立(2)
使用上の注意に記載のない副作用に関し引き続きの情報収集――を求め行政指
導することを決めた。消費者からの情報提供が、社内で「副作用」として十分
認識されていなかったと見られる。

このほど複数のかぜ薬で間質性肺炎によると疑われる副作用症例が報告された
ことと合わせ、医薬品の一般小売店での販売解禁の流れに水を差す結果となっ
た。同社は同日、「医療機関を受診し受診記録が得られた場合に副作用報告の
要、不要を判断することとしていた。結果的に報告の遅延を生ずることになり
遺憾。医薬品適正使用のさらなる推進を図っていく」とのコメントを発表した。

同省などによると、医療用ファモチジンで報告されているような副作用が一般
用ファモチジンでは少ないことから、今年3月ごろ同社の担当者に確認したと
ころ、社内調査で、「お客様相談窓口」(製品情報センター)に寄せられた副
作用症例に関する情報303件について、副作用ととらえていないことが分かっ
た。それには、薬事法に基づき緊急報告の対象となるケースが15件含まれて
いた。

15件は、全身じんましん、白血球減少、貧血など重篤なもののほか、排尿障害、
下血、吐血など未知のもの。胃の調子が悪い時に同剤を服用していた男性は、
急性心筋梗塞で入院、急性腎不全を併発し死亡した。別の50代男性は、担当医
が「本剤を多量に飲んだことが原因で肝不全を起こし死亡した」としていると
いう。

同省が同社から事情を聴いたところ、症例のほとんどが服薬量や服用期間、事
象の詳細などの情報量が乏しく科学的評価が困難だった▽副作用の多くは本剤
に起因するというよりむしろ消化器出血などを伴う消化性かいようなどの原疾
患との関連性を疑わせるものだった▽したがって安全性上の措置を必要とする
事例ではなく報告の遅延による特段の健康被害を生じたとは考えられない――
と説明したという。その後同社は、「お客様相談窓口」に消費者から寄せられ
た情報についても可能な限り詳細情報の収集に努め、有害事象としてデータベ
ースの形で集積、管理するよう体制を見直したという。

同剤は97年7月承認、条件として「少なくとも3年間の安全性に関する市販
後調査実施」を課され、特別調査で9935件中34例45件の副作用が報告された。
主な副作用は、口渇9件、便秘・気分不良6件、発疹5件などだった。

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