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卸連・宮田会長 インフレでも持続可能な医薬品流通へ 骨太方針に初めて明記した“仕組みの検討”に全力

公開日時 2025/07/25 04:51
日本医薬品卸売業連合会(卸連)の宮田浩美会長は7月24日の定例会見で、政府の骨太方針2025の中で、医薬品の安定供給に向けて「取り巻く環境の変化を踏まえた持続可能な流通の仕組みの検討を図る」と明記されたことに、「この一文が入ったこと自体、非常に大きな意味をもつ」と強調した。原案にはなかった一文だと言い、骨太方針に医薬品流通が明記されたことも初めてとなる。宮田会長は、この一文の解釈について、「公定価格の中でやっている産業が、(インフレ基調の中で)価格転嫁をどういう仕組みでやっていくのかを行政を含めて一緒に検討していくということ」だと説明。卸連としても持続可能な流通の仕組みの実現に全力で取り組む考えで、「議論ができるファクト、データを早急にまとめる」と述べた。

◎「持続可能な流通の仕組みの議論を重ねていきたい」

政府が6月に閣議決定した骨太方針2025では、「医薬品の安定供給に向け、抗菌薬等のサプライチェーンの強靱化や取り巻く環境の変化を踏まえた持続可能な流通の仕組みの検討を図る」と明記された。宮田会長は、卸連の目的達成に必要な政治活動を行う日本薬業政治連盟(薬政連)の鹿目広行会長らとともに、自民党の厚生関係議員や税調関係議員を中心に説明・陳情して回って盛り込まれた一文だと紹介。「骨太方針に初めて流通について記載された」と述べた。年末の来年度予算編成や今年度の補正予算を見据えて、「持続可能な流通の仕組みの議論を重ねていきたい」と意欲をみせた。

宮田会長は、持続可能な流通の仕組みの腹案は明かさなかったが、医薬品流通に必要不可欠やガソリン、電気、水道といったインフラの物価高騰は「非常に医薬品卸の経営に影響を与えている」と指摘し、「(医薬品流通を)公定価格だけで賄えるのかということを踏まえて今後、関係各所の方々と検討しながら、より持続性のある仕組みを作っていきたい」と述べた。「いくら良い製品が作られても、必要な患者さんにその製品が届かないということはあってはならない」とも強調した。

また、1回補助金を出すということでは“持続可能ではない”とクギを刺しつつ、「何か違う仕組みや仕掛けに知恵を出していくということになるが、財源の問題もあり、厳しい交渉になる」との見通しも示した。

◎参院選後の活動方針 手のひらをかえすことなく「今まで培ってきた関係性を維持」

宮田会長は、7月の参院選の結果を踏まえた今後の対応や活動方針について、「自民党の田村憲久先生や厚生関係の先生方には骨太方針2025でも尽力いただいた。(選挙結果を受けて)手のひらをかえして右に行く、左に行くということではなく、今までに培ってきた関係性を維持する」と表明した。卸連の主張を理解・後押しするような政党や議員がいれば「対応させていただくことになる」としたが、「これまでと大きく活動方針が変わるわけではない」と強調した。

薬政連が推薦した本田顕子氏(自民=比例代表)や釜萢敏氏(同)が当選したことにも触れ、「卸連合会として北海道から沖縄までの各支部の方々にお願いした結果の表れ」との認識を示した。
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