厚労省・検討会 患者の個人情報保護でガイドライン策定へ
公開日時 2004/06/23 23:00
厚生労働省の「医療機関等個人情報保護あり方検討会」(座長・樋口範雄東京
大学大学院法学政治学研究科教授)は6月23日初会合を開き、ガイドライン策
定に向けた議論をスタートした。冒頭、樋口座長が、「医療に関する情報は特
殊で、単に保護すればよいのではなく、いかに利用、活用するかも同様に重要。
これらを両立させることで、患者の医療への信頼向上も図られる」と述べた。
05年4月の個人情報保護法全面施行に向け今年4月に閣議決定した「個人情報
の保護に関する基本方針」では、医療分野は金融・信用、情報通信の2分野と
ならんで、「適正な取り扱いを確保すべき個別分野」とされた。検討会は、医
療機関や介護サービス提供事業者が患者の個人情報保護を適切に行うためのガ
イドライン策定のほか、医療関係の個人情報をにらんだ個別法についても必要
性を検討する。
この日の会合では委員から、「施設の連携でやりとりする患者の診療録はどの
程度までが個人情報の対象か」「医療事故に関する情報の共有は問題ないか」
などの問題提起があった。今後、数回の検討会を行い、秋口をめどにガイドラ
インを取りまとめ。個別法については年内に結論を出す。