中外製薬 ライオンにOTC事業を譲渡、医療用薬に集中
公開日時 2004/08/01 23:00
中外製薬は7月30日、OTC事業をライオンに、子会社の永光化成の殺虫剤製造
事業をライオンの100%子会社のライオンパッケージングに、営業譲渡すると
発表した。譲渡対象は、中外のOTC事業とそれに関連する商標、特許、意匠、
ノウハウ、要員、契約上の地位などと、永光化成の殺虫剤製造事業になる。営
業譲渡は04年末までに実施する。
中外の永山治社長は、「医家向け、OTCとも厳しい環境にある」との認識を示
し、将来的な展望を熟慮した結果、コンシューマー事業に強みを持つライオン
にOTC事業の譲渡を決断した。今後、中外はロシュとの連携を生かし、医療用
医薬品事業に経営資源を集中する考え。
ライオンは統合により薬品事業の売上高は500億円超となり、「業界トップ3
に入り、総合OTCメーカーへの飛躍が実現できる」(藤重貞慶・ライオン社長)
と言う。ライオンは、OTCナンバーワン・メーカーへのステップアップの早期
実現を目指し、薬品事業の売上高を現在の312億円から06年度600億円までに伸
長させる計画。
中外の03年4~12月のOTC事業の売上高は146億円(ドリンク剤75億円、殺虫剤
40億円)、従業員は188人。親会社のスイスのロシュも7月19日に独バイエル
へのOTC事業売却を発表している。