サンバイオ・束原常務執行役員 アクーゴ脳内移植用注の薬価収載「26年5月にも」 初出荷は下半期
公開日時 2026/03/26 04:52

サンバイオの束原直樹常務執行役員は3月25日開催の26年1月期 Web決算説明会で、同社のアクーゴ脳内移植用注について、「26年5月にも薬価収載される」との見通しを明らかにした。発売後は、治験を行った5つの大学病院で採用手続きを行い、「下半期に初出荷と初の患者への投与というのが行われると見込んでいる」と述べた。また、同剤のマーケティング広報活動にも着手しているとし、外傷性脳損傷(TBI)の啓発やメディア向けイベントなど今後複数開催する予定だとした。
世界初の脳の再生治療薬として申請したアクーゴ脳内移植用注は、24年7月に条件および期限付き製造販売承認を取得したものの、出荷制限がつき、その後、収量に関する製造データを3回に渡り当局に提出、25年6月に一部変更承認申請を行い、25年12月に出荷制限の条件解除を目的とした承認を取得した。
◎製造から流通、投与までシームレスなインフラを構築 グローバル展開も視野に
薬価収載の時期について束原常務執行役員は、「他の再生医療等製品が2月に収載されたことで、少し遅れているかなとの印象」と語りながらも、26年5月の薬価収載を経て発売となる流れを提示した。初出荷は下半期になる見通し。その上で、さらなる成長のための日本のマザー拠点化に注力する方針を提示。「より質の高い有効性、安全性のデータを積み重ねによる研究開発の促進」に取り組むと述べ、アクーゴを製造する「三井リンクラボ新木場3に新ラボを4月から稼働させる」と指摘。「細胞治療薬の製造から流通、投与までシームレスなインフラを構築し、ノウハウをしっかり作ってグローバルに展開していくプロセスを進めていきたい」と強調した。アクーゴが条件・期限付き承認で、今後本承認への手続きが求められることに触れ、「しっかりと市販後臨床試験を行って、適正使用を推進しつつ、より強固なエビデンスを作り上げて、それをもとに他国への進出を含めてやっていきたい」と意気込んだ。
一方、医療提供体制については、まずは患者が通院する医療施設から地域の連携施設を紹介し、そこでしっかりMRIをとってアクーゴの適用の可否を判断する。手術(移植)施設で治療し、リハビリ施設を経て在宅までサポートするようなフローを構築すると明言した。患者向けコールセンターの運用を3月から開始したほか、医療従事者向けにアクーゴの適正使用状況を提供するメディカルインフォメーションシステムについても準備を進めているとした。
◎森社長「新株発行等による約162億円の成長資金を確保」
同社の森敬太代表取締役社長は26年1月期業績を説明。アクーゴの一変承認に向けた活動費用として研究開発費26億7800万円を計上。事業費用は37億9400万円だったと報告した。森社長はまた、「最も多い現金及び預金を現在保有し、経営を行っている」と説明。「新株発行等による約162億円の成長資金を確保した」と明かした。27年1月期業績予想のうち事業収益については、「アクーゴの薬価収載後に公表予定」と強調した。