第一三共 ACAT阻害剤CS-505の開発中止、大型化期待の一角崩れる
公開日時 2005/10/26 23:00
第一三共は10月26日、欧米で実施していた動脈硬化性心血管疾患治療剤(ACAT
阻害剤)CS-505について、現在進行中のすべての臨床試験を中止すると発表し
た。米国でのフェーズ2で期待した有効性を得られなかった。07年の申請を見
込んでいたため、09年度第一三共全体の目標値(売上高9320億円、営業利益25
50億円)への影響は軽微と見ている。しかし、将来大型化を期待し開発資源の
集中を公言していたCS-474(血小板凝集阻害剤)、DU-176b(経口抗Xa剤)、C
S-505の一角が崩れただけに衝撃は大きい。
米国で500例強の規模で実施していたフェーズ2(ACTIVATE試験)で、一次評
価項目の冠動脈病変での血管内超音波法による動脈硬化巣の変化が確認できな
かった。また、二次評価項目でも標準治療法に優る抗動脈硬化作用が見出せず、
心血管イベントの発症率への好影響がなかった。
これまで多くのACAT阻害剤が開発されたが、安全性の問題などで上市にこぎ着
けたものはない。第一三共が成功すればファーストインクラスとなり、大型化
は確実と見られていた。