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IQVIA 24年世界医薬品市場 売上1位はオゼンピック 伸び率1位はウゴービ ダイエット目的の使用も

公開日時 2025/07/16 04:53
IQVIAは2024年の世界医薬品売上データをまとめた。製品売上1位は糖尿病治療薬・オゼンピックで、売上は前年比25.4%増の458億7800万ドルだった。売上トップ20製品のうち最も伸び率が高かったのは肥満症治療薬・ウゴービの94.9%増で、次いで糖尿病治療薬・マンジャロの92.0%増だった。オゼンピックとウゴービの有効成分はいずれもセマグルチド。マンジャロの有効成分のチルゼパチドは、肥満症治療薬(製品名:ゼップバウンド)として米国などで販売されている。これら売上上位のオゼンピック、ウゴービ、マンジャロはダイエット目的での使用が含まれている可能性もありそうだ。

文末の「関連ファイル」に、IQVIA独自ルールに基づく24年のグローバル製品売上トップ20と、売上上位20社の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

IQVIAのグローバルの製品売上データは、世界で異なる名前や販売会社で販売されている製品を同社が集約化したもの。▽現地ブランド名、▽営業販売会社、▽有効成分――の3つの基準のうち2つの一致により製品名を集約化した。売上は工場出荷価格ベースで、処方薬と特定のOTCデータが含まれる。新型コロナワクチンの売上は含まない。売上は四半期ごとの平均為替レートを用いて米ドルベースで算出。成長率は為替影響を除外したものとなる。

◎売上100億ドル以上に17製品 オゼンピックのみ売上400億ドル以上

IQVIAは24年のグローバル製品売上トップ20を公表した。売上100億ドル以上に17製品あり、内訳は400億ドル以上がオゼンピックのみ、300億ドル以上400億ドル未満に2製品、200億ドル以上300億ドル未満に4製品、100億ドル以上200億ドル未満に10製品――あった。

売上1位のGLP-1受容体作動薬・オゼンピックは、前年売上との単純比較で、24年に約91億ドルの増収となった。この増収額は売上上位20製品で2位の規模となる。

◎2位キイトルーダ 売上338億ドル 売上トップ20にオンコロジー製品は2剤のみ

売上2位はがん免疫療法薬の抗PD-1抗体・キイトルーダで、17.0%増の338億800万ドルだった。売上上位10製品のオンコロジー領域製品は同剤のみ。売上上位20製品に広げてみても、15位に抗PD-1抗体・オプジーボ(売上117億8900万ドル、前年比6.6%増)があるのみだった。ちなみに、IQVIA発表の24年の国内売上トップ10製品をみると、オンコロジー領域製品はキイトルーダ、オプジーボ、タグリッソ、イミフィンジの4製品がランクインしており、グローバルと日本で売れ筋が異なることがわかる。

◎16年から連続1位のヒュミラが4位に後退 BS影響で約86億ドル減

売上3位は経口FXa阻害薬(抗凝固薬)・エリキュースで、15.9%増の315億2300万ドル。同じクラスのザレルト(国内製品名:イグザレルト)は14位で4.4%減の124億3200万ドルだった。なお、日本において経口Fxa阻害薬で最も売上が大きいのはリクシアナだが、同剤はグローバルでみると20位圏外となっている。

16年から8年連続1位の座にいた自己免疫疾患に対する抗TNFα抗体・ヒュミラは4位に後退した。24年売上は23.1%減の286億9200万ドル。米国で23年1月にバイオシミラーが発売されるなどした影響が大きく出た。ヒュミラの24年の減収額は約86億ドル。

◎5位マンジャロは売上253億ドル 増収額は約121億ドル、上位20製品で最大規模

5位はGIP/GLP-1受容体作動薬・マンジャロで、92.0%増の253億1600万ドルとなった。増収額は約121億ドルにのぼり、これは売上上位20製品のなかで最大規模となる。なお、成長率1位で売上ランク11位のGLP-1受容体作動薬・ウゴービ(154億800万ドル、94.9%増)の増収額は約75億ドルで、この増収額はマンジャロ、オゼンピックに次ぐ大きさとなる。

6位以下は、6位は糖尿病やCKDなどに対するSGLT2阻害薬・ジャディアンス(243億6400万ドル、29.5%増)、7位は乾癬・炎症性腸疾患に対する抗体製剤・ステラーラ(219億4700万ドル、6.2%増)、8位は気管支喘息やアトピー性皮膚炎などに対する抗体製剤・デュピクセント(196億8500万ドル、35.5%増)、9位は乾癬・炎症性腸疾患に対する抗体製剤・スキリージ(180億6200万ドル、60.8%増)、10位は抗HIV薬・ビクタルビ(175億7100万ドル、11.8%増)――。このうち9位のスキリージの増収額は約68億ドルと大きい。

このほかの売上100億ドル以上製品は、12位の糖尿病やCKDなどに対するSGLT2阻害薬・フォシーガ(137億2900万ドル、17.5%増)、13位の糖尿病に対するGLP-1受容体作動薬・トルリシティ(133億8000万ドル、26.0%減)、16位の自己免疫疾患に対する抗TNFα製剤・エンブレル(108億6800万ドル、4.4%増)、17位の乾癬等に対する抗体製剤・コセンティクス(101億2600万ドル、29.7%増)――となる。

◎企業売上ランキング 1位はアッヴィの884億ドル トップ5社変わらず

24年の世界医薬品売上データから企業別の売上ランキングも見てみる。これは、IQVIA独自の「販促会社ベース」(販促会社が2社以上の場合、製造承認を持っているなどオリジネーターにより近い製薬企業に売上を計上して集計したもの)のランキングとなる。売上は四半期ごとの平均為替レートを用いて米ドルベースで算出。成長率は為替影響を除外したものとなる。

24年の企業ランキングの上位10社の顔ぶれは変わらず、上位5社は順位も前年と同じだった。

1位はアッヴィで2.9%増の884億7800万ドル。最主力品のヒュミラは2ケタ減収となったが、スキリージやリンヴォックの急拡大で首位をキープした。美容医療関連製品も貢献したとみられる。2位はジョンソン・エンド・ジョンソンで7.0%増の827億8800万ドル。ステラーラが引き続き好調で、OTC医薬品の貢献もあったとみられる。

◎ノボは約85億ドル増収 イーライリリーは約140億ドル増収 糖尿病/肥満症薬の好調で

3位はオゼンピックやウゴービなどを手掛けるノボ ノルディスクで、売上は12.9%増の781億7400万ドル。この1年間の増収額は約85億ドルだった。4位はマンジャロなどを手掛けるイーライリリーで24.2%増の731億8100万ドルとなり、この成長率は上位20社の中で最も高かった。増収額は約140億ドルにのぼった。両社とも、糖尿病や肥満症に対するGLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬のグローバルでの力強い成長が企業売上の大幅増に寄与した格好だ。

5位以下は、5位はブリストル マイヤーズ スクイブ(売上677億9700万ドル、前年比15.5%増、前年5位)、6位は米メルク(563億7600万ドル、9.5%増、前年8位)、7位はロシュ(558億1500万ドル、8.4%増、前年7位)、8位はアストラゼネカ(557億5200万ドル、11.5%増、前年9位)、9位はサノフィ(547億8100万ドル、6.1%増、前年6位)、10位はノバルティス(538億1900万ドル、14.3%増、10位)――だった。

◎内資系売上トップは武田薬品 全体16位

内資系企業での売上トップは武田薬品で、売上は2.1%減の277億6500万ドルだった。売上ランクは前年と同じく16位。企業売上上位20社の業績は増収18社、減収2社で、減収企業は武田薬品と12位のグラクソ・スミスクラインだった。
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