昭和大学医学部上島教授 強迫性障害患者の67%がうつ病を併発
公開日時 2006/02/05 23:00
昭和大学医学部精神医学教室の上島国利教授は2月2日、グラクソ・スミスク
ライン主催のセミナーで講演し、強迫性障害(OCD)の生涯有病率は以前より
増加しており、現在は2~3%であることや、様々な精神障害が併存しやすい
疾患であり、67%(生涯有病率)という高率でうつ病を併発していることを報
告した。
治療方法に関しては「薬物療法と精神療法(認知行動療法)を併用・統合して
行うとよい」とし、日本ではパキシルやデプロメール/ルボックスといったSS
RI2剤が、OCDの適応を取得していることを紹介した。
SSRI以外では、マイナートランキライーザーやハロペリドール、三環系の抗う
つ剤などが治療に使用されているが、三環系抗うつ剤は「抗コリン作用があり、
便秘や口が渇くといった副作用のため、非常に使いにくい」などと説明。一方、
パキシルについては、OCDの「強迫観念」や「強迫行為」の両症状を有意に改
善し、「有害事象の発現率は三環系の抗うつ剤よりはるかに少ない」と報告し
た。