協和発酵医薬事業 今期も減収減益予想、イトリゾール提携解消で
公開日時 2006/04/30 23:00
協和発酵は4月28日、06年3月期通期決算を発表した。医薬事業の売上高は前
期比4.4%減の1495億円、営業利益は21.4%減の142億円だった。06年度は、薬
価改定の影響(マイナス6.8%)、イトリゾール(抗真菌剤)の流通提携解消、
コニール(Ca拮抗薬)の後発品参入などがあり、減収減益を予想。
減収となったのは、ヤンセンファーマとの流通提携品イトリゾールが215億円
(前期298億円)に、83億円減少した影響が大きい。06年3月末で同契約が解
消されたため、06年度以降同剤の売上高は計上されなくなる。アレロック(ア
レルギー)は05年度下半期の市場シェアが12.9%と前年同期に比べ1.5ポイン
トアップした。
海外でKW-6002(抗パーキンソン剤)のフェーズ3を行っていたため、研究開
発費が280億円(前期241億円)に膨らみ、利益を圧迫。フェーズ3が終了した
ため、06年度の研開費は254億円に落ち着く予定。KW-6002は今年後半にFDAへ
の申請を目指す。米国での販売に関してアライアンス交渉中で、コ・プロモー
ションを模索。
ヒト化抗体KW-0761(抗アレルギー剤)が欧州でフェーズ1入りした。日本で
は、ATLL(成人T細胞白血病・リンパ腫)の適応で近く開発を開始する予定。
独自の強活性抗体作成技術ポテリジェントのライセンスは着実に拡大、06年3
月末時点でジェンネンテックやメダレックスなど6社(24抗体)と提携にこぎ
つけた。
●〔医薬事業業績(前期比)06年度予想〕
売上高 1495億3500万円(4.4%減)1270億円
営業利益 142億3000万円(21.4%減)135億円
●〔主要品(前期)06年度予想、億円〕
コニール 281(281)237
アレロック 199(188)194
デュロテップ 135(126)139
デパケン 102(101)100
アドリアシン+ファルモルビシン
95(91)96
ナウゼリン 66(69)62
セルテクト 54(69)46
イノバン+プレドパ
49(50)46
ノイアップ 46(47)44
5FU(全剤型)33(35)30
ナベルビン 23(15)28
イトリゾール(流通提携品)
215(298)0
輸出・技術収入106(101)133