添付文書改訂
公開日時 2006/04/30 23:00
厚生労働省医薬食品局安全対策課は4月28日、抗生物質「ジスロマック」の添
付文書を速やかに改訂するよう、販売元のファイザーに指示した。肝炎や白血
球減少、横紋筋融解症などの副作用報告が国内の医療機関から挙がったため。
これらの副作用を添付文書に追記して、医療現場への周知徹底を図る。
具体的な改訂内容は、「重大な副作用」にある肝機能障害、黄疸に関する項目
に新たに「肝炎」を加えた。また、副作用として白血球減少や顆粒球減少、血
小板減少、横紋筋融解症が現れるケースがある。異常があった場合には投与を
中止するなど、適切な処置を講じることを追記する。
厚生労働省医薬食品局安全対策課は4月28日、気管支喘息治療に使う経口剤と
テープ剤のβ2刺激剤の添付文書を改訂するよう関係各社に指示した。
対象は、塩酸クレンブテロール(スピロペント=帝人ファーマなど)、ツロブ
テロール(ホクナリンテープ=アボット)、塩酸ツロブテロール(ホクナリン
錠=アボットなど)、経口剤の塩酸プロカテロール(メプチン=大塚製薬など)
フマル酸ホルモテロール(アトック=アステラス製薬)、塩酸マブテロール
(ブロンコリン=科研製薬)――の6成分(後発品を含む)。
気管支喘息治療の長期管理は、以前は気管支を拡張する効果を持つβ2刺激剤
が主流だったが、これは対症療法。気管支喘息のメカニズムが解明され、治療
ガイドラインの普及に伴い、気管支の炎症を鎮める吸入ステロイド剤が治療の
主流になりつつある。
添付文書には、気管支喘息の治療ガイドラインに沿って▽β2刺激剤は吸入ス
テロイド剤の代替薬ではなく、症状が改善してもステロイド剤の減量や投与
を中止しない▽急性発作には吸入タイプのβ2刺激剤を使用する▽急性発作時
にβ2刺激剤が効きづらくなった場合には吸入ステロイド剤を増量し、気管支
の炎症を抑えること――などを書き加える。
また、厚労省は免疫抑制剤「セルセプト」について、添付文書の「重大な副作
用」の項目に、無顆粒球症や白血球減少、血小板減少、貧血を加えるよう製造
販売元の中外製薬に指示した。