三菱ウェルファーマ 欧米、中国事業展開でロードマップ策定へ
公開日時 2006/05/14 23:00
三菱ウェルファーマが5月11日発表した06年3月期通期決算は、2期連続で各
段階の利益が過去最高を記録。小峰健嗣社長は会見で、今期も引き続き過去最
高益の達成を目指す方針を示した。今期は薬価改定5%(100億円)ダウンの
影響などを受け、売上は微減(22億円減)となる一方、ウルソ(肝・胆・消化
機能改善)やアンプラーグ(慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感等の
虚血性諸症状)など主力品の売上伸長に加え、販売管理費の減少、営業外収益
の改善などにより、純利益は33億円増加する見通しだ。
小峰社長は今期の営業部門の最大の課題として、低アルブミン血症治療薬アル
ブレック(国内で申請中)の上市に向けた準備や、ウルソのC型肝炎の適応追
加(国内で申請中)を進めていくことを挙げた。また、国際創薬企業への飛躍
に向けて、海外事業の抜本的な見直しを図るため、7月に社長直轄組織として
「経営戦略部門」を設置し、米国、欧州、中国の3地域での事業展開について
「ロードマップを策定する方向で検討を開始する」と強調した。同社は昨年7
月に、欧州初の自社販売品アルガトラ(選択的抗トロンビン剤)を発売したが、
小峰社長は「本当の意味での国際事業展開は練習をしている段階」と述べ、目
標策定に向けて検討に着手する方針を示した。