塩野義製薬は５月15日、06年３月期通期決算を発表した。今期は、薬価引き下
げの影響を受けるが、05年に発売した高脂血症治療薬クレストール、抗生物質
製剤フィニバックス、抗菌剤アベロックス３製品を中心とした売上拡大に加え、
クレストールのロイヤリティ収入などにより、6.9％の増収の見通しだ。営業
利益（9.5％増）、経常利益（4.5％増）ともに増益を見込むが、純利益に関し
ては、05年度にカプセル事業売却による特別利益があったことから、20.8％の
減益の見込み。

海外で伸長しているクレストールのロイヤリティ収入は81億円（04年度48億円）
となり、今期は150億円を見込む。また、塩野元三社長は「第２次中計の最終
年度（09年度）までに、積極的に海外展開を図り、自社販売をしていきたい」
と述べ、フィニバックスの中国を中心とした展開に意欲を示した。

後発品事業への参入方針については「本格的な参入は考えていない」と述べ、
あくまで新薬メーカーとしての生き残りを目指す方針を強調。現段階では、10
品目程の後発品を販売しており、全売上高に占める割合は1.5～1.6％程度とい
う。

●〔連結業績（前期比）06年度予想〕
売上高　　　1963億8800万円（1.5％減）2100億円
営業利益　　292億2600万円（1.7％増）
経常利益　　296億5600万円（6.7％増）310億円
純利益　　　227億3500万円（20.0％増）180億円

●〔05年度（04年度）06年度予想、億円〕

（単体）
フロモックス　　　341（332）340
フルマリン　　　　164（170）150　　　　
塩酸バンコマイシン161（161）143
イムネース　　　　111（104）110
リンデロン等外用　102（103）100
クラリチン　　　　80（89）105
ロンゲス　　　　　44（49）45
オキシコンチン　　43（29）70
MSコンチン　　　　35（56）20
ケフラール　　　　35（41）31
ドブトレックス　　30（33）30
リスミー　　　　　27（26）30
ランデル　　　　　19（20）30
アクプラ　　　　　12（12）15
PL顆粒　　　　　　28（32）28
ブロアクト　　　　26（26）26
ベリチーム　　　　25（27）24
ウルグート　　　　10（12）10
塩酸モルヒネ注　　９（11）８
セフチブテン（輸出）21（13）20
クレストール　　　１（―）10
フィニバックス 　８（―）35
アベロックス　　　18（―）55
セトロタイド　　　―（―）５