久光/明治 ホクナリンテープの後発品を共同販売へ、明治が競り勝ち
公開日時 2006/05/15 23:00
久光製薬と明治製菓が、今夏に追補収載される気管支拡張剤「ホクナリンテー
プ」の後発品について、コ・プロモーション契約を締結したことが5月15日、
わかった。先発品メーカー同士が後発品を共同販売することは極めて珍しい。
4月に実施された処方せん様式の変更をはじめ、政府の後発品使用促進策を受
けて、先発品メーカーによる後発品市場への参入がさらに加速しそうだ。
久光は貼付剤の開発力を生かし、後発品の開発に成功した。しかし、小児科や
内科の販路が弱く、内資企業数社に呼びかけてコ・プロモーション権に関する
コンペティションを実施した。対象企業には、武田薬品工業をはじめ、後発品
事業に参入を表明した田辺製薬なども含まれていたという。
結局、抗生物質の販売で内科や小児科に強みを持つ明治製菓が権利を勝ち取っ
た。同社は08年には後発品事業の売上高100億円をめざす方針を示しており、
製品群を強化できるメリットがある。一方、コンペに敗れた田辺は同じ後発品
の販売を予定する別の企業との提携を模索する動きもあるという。大手後発品
メーカーでは、日医工などが販売を予定しているとされる。
ホクナリンテープは、アボットジャパンとマルホが共同販売する経皮吸収型気
管支拡張剤で、直近の売上高は150億円(薬価ベース)に達している。風邪を
こじらせた患者に処方されることが多く、「内科や小児科を中心に処方が拡大
している製品」という。ただ、血中濃度を安定化する貼付剤の開発には高度な
技術が必要であり、「後発品にしては、情報提供など手間とコストがかかるの
ではないか」との見方もある。