日本脳卒中協会・端和夫副理事長 t-PA製剤の使用実態を報告
公開日時 2006/05/17 23:00
日本脳卒中協会の端和夫副理事長は5月17日に都内で講演し、昨年10月に虚血
性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後3時間以内)の適応追加承
認を取得したt-PA製剤アルテプラーゼ(アクチバシン注=協和発酵、グルトパ
注=三菱ウェルファーマ)の使用実態を報告した。
それによると、全世界で脳梗塞患者の10%程度がt-PAの治療を受けているのに
比べ、国内での推定使用例は06年3月末時点までで1315例という。同療法は血
栓を溶かす作用があるため出血のリスクが高く、慎重な投与が必要。02年4月
から03年9月まで実施された国内臨床試験では、脳出血等の重篤な副作用の発
生が認められ、市販後、一定数の症例のデータが蓄積されるまで、全症例を対
象に使用成績調査が課された。
国内調査(247例が対象、06年2月時点)では、副作用の発現率は8.1%で、頭
蓋内出血が6.5%、重篤な出血関連副作用は4.9%だったという。端副理事長は、
適正使用に向けて、早期治療を実現するため市民への啓蒙活動の必要性などを
あげた。サノフィ・アベンティスが主催したセミナーで行われた講演。