中医協 アステラスとファイザー激突へ、大塚期待のエビリファイも参入
公開日時 2006/05/24 23:00
中医協は5月24日、6月1日付でアステラス製薬の過活動膀胱(OAB)治療薬
ベシケアなど8成分15品目の薬価収載を決めた。ファイザーは、ベシケアと競
合するOAB治療薬デトルシトールと、抗うつ薬ジェイゾロフトの収載が決定。
また、大塚製薬の抗精神病薬エビリファイも決まり、ヤンセンファーマや日本
イーライリリーなど先行メーカーとのシェア争いが激化しそうだ。
アステラスとファイザーのOAB治療薬が同時に収載されることになった。どち
らも比較薬はバップフォーだが、外国価格調整の結果、薬価はわずかながらデ
トルシトールが高い。両社の売上予想(中医協資料)を見ると、ベシケアは初
年度44億円、ピーク時の発売後10年目213億円、一方のデトルシトールは初年
度13億9000万円、ピーク時の発売後9年目173億5000万円と、初年度はアステ
ラスの予想が上回る。
ファイザーのジェイゾロフトの売上予想は初年度22億6000万円、ピーク時の発
売後6年目482億2000万円。比較薬はSSRIでトップシェアを確保するグラクソ・
スミスクラインのパキシルで、1日薬価は同じ。パキシル(05年売上高505億
円、薬価ベース)の牙城を切り崩せるか、注目が集まる。
大塚のエビリファイは、国内では非定型として5番目だが、初年度には7億50
00万円、ピーク時の発売後8年目には121億円を予想。比較薬は日本リリーの
ジプレキサで、外国価格調整を行った。1日薬価を比べると、ジプレキサ錠10
mg(496.10円)に比べて、エビリファイ錠6mgは744.00円と高い。精神疾患患
者は低所得者層が多く、長年服用し続けるケースもあり、「経済的な負担を考
えると、高価な薬は薦められない状況もある」(都内精神科医)との指摘もあ
る。最下段に詳細。