陽進堂HD 子会社4社を26年4月に経営統合 人的資源やリソースを最適化 バイオ薬事業への対応も視野
公開日時 2025/06/24 04:52
陽進堂ホールディングス(HD)は6月23日、100%子会社の陽進堂、エイワイファーマ、信和薬品、ケミカルバイオリサーチの4社を経営統合すると発表した。2026年4月1日付で子会社は存続会社の陽進堂に吸収合併され、さらに陽進堂が陽進堂HDを吸収し、社名を陽進堂ホールディングスに変更する。経営統合の目的について同社は、グループ全体のガバナンスの一層の強化、人材流動化による組織の更なる活性化などをあげており、特に人的交流やリソースの最適化などに期待を寄せる。経営統合により従業員数は1200人強となる。
陽進堂HDは2016年4月より持ち株会社制を導入、2021年10 月にすべてのグループ会社の社員は陽進堂HDに転籍し、陽進堂HDの社員となった。2025年3月期の売上高は536億500万円、営業利益は68億8300万円。同社は、経営判断の迅速化と最適な経営資源の配分を通じ、「陽進堂グループ全体をより力強くし、各グループ会社が別会社として単独で動くのではなく、統一された方針に基づく統率された組織となるように働きかけていく役割を担う」としている。
◎陽進堂 バイオ医薬品の受託製造を通じた製造技術、管理ノウハウの獲得などに挑戦
子会社の陽進堂は、原薬から製剤までの一貫生産体制を確立し、より高品質で低コストの医薬品を提供している。近年は、バイオ医薬品への取り組みにも着手。バイオ医薬品の受託製造を通じた製造技術、管理ノウハウの獲得、バイオシミラーの臨床開発などに挑戦している。
エイワイファーマは、2013年に味の素製薬から輸液・透析事業を分割、陽進堂と味の素製薬が出資してエイワイファーマとして事業を開始した。2016年に陽進堂の100%子会社に移行。輸液製剤、注射剤、透析関連製剤の製造販売と医薬品・医療機器の受託製造および研究開発業務の受託を行ってきた。2019年からはバイオシミラー製剤の生産も開始した。
信和薬品は、医薬品製造で培ってきた製造・管理基準を健康食品にも適用し、多様な健康食品の製造に柔軟に対応しながら、自社製品の製造販売、受託製造を行っている。ケミカルバイオリサーチは、バイオ後続品を中心とした医薬品の研究開発を担っている。同社は、アンメットな領域を見極め、安定供給が確実なパートナーを選定し、いち早く承認を得ることに挑戦してきた。2022年11月には陽進堂がBiocon Biologics 社と日本国内におけるバイオ後続品の独占的販売権に係る契約を締結した際に、日本での開発をケミカルバイオリサーチに委託している。