中医協 ニコチンパッチ保険適用問題が決着、なお波乱要因も
公開日時 2006/05/24 23:00
中医協が5月24日の総会で、ノバルティスファーマのニコチンパッチ製剤ニコ
チネルの薬価収載を決めたのには、4月に保険導入されたニコチン依存症管理
料の解釈をめぐり、医療現場に混乱が広がったことが背景にある。
このため、日本禁煙学会がニコチンパッチの保険適用を求める要望書を提出し
ていた。今回の薬価収載では、医師が処方せんの「備考」欄に「ニコチン依存
症管理料の算定に伴う処方である」と記載する必要がある。
中医協は、禁煙指導による医療費削減効果を検証する予定。支払側委員には
「喫煙はあくまで嗜好の問題で、そもそも禁煙指導を保険適用する必要がなか
った」「禁煙指導は国民のコンセンサスを得ておらず、薬価収載には違和感が
ある」などの声もあり、前途多難だ。
中医協の土田武史会長は「当初はニコチンパッチが保険に入るとは考えておら
ず、認識が不十分だった」として、「2年後の次回改定までに再度議論しても
らうことで、意見を集約してほしい」と支払側を説得。これに対し、健保連
(支払側)の対馬忠明専務理事が「ニコチンパッチは2年後に見直せばいい」
と応じる場面もあった。