日薬連森田会長 薬剤比率は20%必要、薬剤費実額への言及避ける狙いも
公開日時 2006/06/05 23:00
日本製薬団体連合会の森田清会長は、6月5日に厚労省が開いた「医薬品産業
政策の推進に係る懇談会」の今年度初会合で、国民医療費に占める薬剤比率に
ついて、国民の健康を保持する最低限の条件として、「現状と同レベルである
20%前後を維持すべき」との考えを示した。
少子高齢化や予防医学の普及、慢性疾患の増加などで医療費が増加傾向にある
ことを踏まえ、森田会長は「薬剤費が医療費の20%を占めるという仮定のなか
で、次の医薬品産業ビジョンのアクションプランを策定してもよいのではない
か」と提案した。同会長は薬剤費の実額ではなく、医療費の増加と共に実額が
伸びる薬剤比率に議論の焦点を当てることで、「製薬業界は儲けすぎ」との批
判をかわす狙いのようだ。
市場調査会社IMSによると、05年の国内医療用医薬品市場(薬価ベース)は前
年比7.5%増の7兆7455億円。診療報酬改定がなかった05年度の国民医療費は
自然増分を加えて33兆円程度で推移するとみられ、薬剤比率は「23%台」(日
薬連関係者)という。ただ、日薬連と製薬協は「薬剤費6兆円、薬剤比率20%」
という従来からの見解を崩していない。