リピトール添付文書改訂 劇症肝炎5例の転帰は「死亡」
公開日時 2006/06/07 23:00
高脂血症治療薬「リピトール」を服用した患者5人が、発売後6年間に同剤に
よる副作用の疑いがある劇症肝炎を発症して死亡していたことが6月7日、わ
かった。厚生労働省は2日付で添付文書改訂を指示しており、販売元のアステ
ラス製薬と販売提携先のファイザーはすでに改訂を終えている。
両社が医療機関向けに配布している「使用上の注意改訂のお知らせ」によると、
「重要な基本的注意」の項目に「劇症肝炎などの肝炎」に関する注意を、「重
要な副作用」の「肝機能障害、黄疸」の項目に「劇症肝炎、肝炎」をそれぞれ
追記した。副作用死の疑いがある患者は50代女性3人、50代男性1人、70代女
性1人。アステラス製薬広報によると「死亡例うち4例が被疑薬となる併用薬
を飲んでいた。1人はリピトールしか服用していないが因果関係はわからない」
としている。
厚労省の安全対策課は「リピトールは肝臓の細胞に作用する薬で、劇症肝炎の
副作用は全く想定できなかったとは言えないだろう。緊急安全性情報(ドクタ
ーレター)は未知の副作用が出た場合に発出するため、今回は対象にはならな
い。投与人数などは詳しい情報は現在調査中で、7月に発行する医薬品・医療
機器等安全性情報に詳細を掲載する予定だ」としている。