厚労省 ACE阻害薬の妊婦投与を危険視する海外報道も「国内に影響なし」
公開日時 2006/06/08 23:00
米バンダービルト大学の研究者が血圧降下剤のアンジオテンシン変換酵素阻害
剤(ACE阻害剤)を投与した妊婦に奇形児が生まれるリスクが高いとする研究
結果を発表した件について、厚生労働省は6月8日、国内ではACE阻害剤の妊
婦に対する投与はすでに禁忌になっているため、「問題ない」とする見解を明
らかにした。
この研究は妊娠初期に同剤を投与した妊婦から生まれた子供は、投与していな
い妊婦の子供に比べて奇形リスクが2.71倍に達すると結論付けた。ニューイン
グランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載され、AP通信など海外メディ
アが取り上げた。厚労省によると、米国ではACE阻害剤の妊婦への投与は禁忌
になっていない。中期、後期の妊婦には投与が警告として記載されているが、
初期の妊婦は警告に入っていない。FDAはこの結果をもって添付文書を改訂す
る方針はないとしている。
厚労省の安全対策課は「今回の研究で対象となったACE阻害薬のうち、12成分
が発売されている。ただ、国内では初期や中期などを問わず妊婦には投与が禁
忌となっており、影響はないだろう」としている。