後発品企業 大手外資、国内大手に経営統合を打診 「中外方式」も浮上
公開日時 2006/06/11 23:00
国内に拠点を持つテバやサンドなど大手外資系後発品企業が、東証一部に上場
する後発品大手に水面下で経営統合を打診する動きを見せ始めた。6月9日開
かれた日本ジェネリック医薬品販社協会総会に参加した国内大手企業関係者の
話によると、オーナー企業が多い国内大手から完全に経営権を奪うのではなく、
自主的な経営を担保する「ロシュ=中外製薬方式」での経営統合などを打診し
ているという。後発品企業は"再編前夜"の様相を呈してきた。
関係者によると、「大手外資が経営統合を持ちかけてきている」と活発化する
外資の買収工作を認めた上で、「(当該企業が)すぐに応じる意向はないが、
将来的にどうなるかわからない」と含みを残している。
政府の促進策で拡大が見込まれる後発品市場は、どれだけ多くの品揃えを持つ
かが勝負となるが、外資が自力で多くの製品を揃えて販路を確立するには時間
がかかる。日本市場でスムーズに展開するには豊富な品目を持ち、株式を上場
する東和薬品(414品目、06年4月1日現在)、日医工(546品目)、沢井製薬
(366品目)などを買収するほうが手っ取り早い。ただ、いずれもオーナー企業
でそれぞれの経営者は経営権を全て外資に譲る考え方には否定的といわれ、同
時に敵対的TOBにもより脅威を感じている。
そこで浮上した経営統合案はいわゆる「ロシュ=中外製薬方式」。スイス・ロ
シュが中外製薬を傘下に収めた際、ロシュは国内の自主的経営権を中外に与え
た。同関係者は「国内後発品大手には同意しやすい経営統合の形といえる。そ
うした打診もある」と話している。