GSK 乳がん治療薬ラパチニブ、がんの増悪の進行を2倍近く遅らせる
公開日時 2006/06/11 23:00
英グラクソ・スミスクラインは6月5日、ASCO(米国臨床腫瘍学会)で、小分
子デュアル・キナーゼ阻害剤「タイケルブ」(海外販売名、一般名:ラパチニ
ブ)に関する大規模臨床試験(EGF100151)の結果を報告したと発表した。
病態が進行した難治性・転移性のHER2(ErbB1、ErbB2)陽性の乳がん患者に
対する、カペシタビン(ゼローダ)単独と、カペシタビンとラパチニブとの併
用で効果を比較したところ、併用した患者で、がんの増悪の進行を2倍近く遅
らせる効果が得られたという。同社は06年下半期に欧米で承認申請する予定。
日本はフェーズ2の段階。
ラパチニブはErbB1およびErbB2といったチロシン・キナーゼ受容体を阻害す
る経口の低分子薬剤。EGF100151は、「ハーセプチン」を含むがん治療を行っ
ていたにもかかわらず、病態が進行した難治性・転移性のErbB2陽性の乳がん
患者392人で実施した。薬剤を投与後に腫瘍の大きさが20%拡大するまでの期
間は、ラパチニブ投与群が8.5ヵ月(36.9週間)に対し、カペシタビン単独療
法群では4.5ヵ月(19.7週間)だった。