帝人ファーマの大八木成男社長は６月12日会見し、08年度までの医薬医療事業
売上の年平均成長率について「できれば15％を目指したい」との考えを示した。
中計（06～08年度）では、年平均５％成長（最終年度1200億円）と設定してお
り、これを10％上回る。大八木社長は「買収により可能」との見方を示し、医
薬品、在宅医療ともM&Aに前向きな姿勢を強調した。近い将来の売上目標とし
て2000億円を掲げた。

同事業の06年度計画は売上高が前期比44億円増の1100億円、営業利益が７億円
増の200億円。マイナス5.8％だった薬価改定の影響を除くと、売上高が85億円
増、営業利益が47億円増になる計算という。今年度中に上市を予定する新薬３
品目（乾癬治療剤ボンアルファのローション剤、骨粗鬆症治療剤ボナロンの週
１回処方製剤、気管支喘息治療剤BTR-15）で35億円、痛風・高尿酸血症治療剤
（国内：TMX-67）の原体輸出で35億円それぞれ増収を見込む。高脂血症治療剤
トライコアは月商1.2～1.3億円まで上がり、早期に２億円を目指すとした。

また、医薬品と在宅医療のシナジーを追求する一環として、これまで完全に独
立していた営業部隊の融合を図る。医薬のMR700人体制に加え、在宅医療のセ
ールス・プロモーション担当500人のMR資格取得を進める。海外戦略について
は、中国で委託販売している骨粗鬆症治療薬ワンアルファについて自社販売に
切り替える方針を示したほか、TMX-67について中南米、オセアニア、中近東、
アフリカなど欧米以外の展開に意欲を見せた。