ノバルティス 新規レニン阻害薬、糖尿病併発する高血圧患者で有効性
公開日時 2006/06/19 23:00
スイスのノバルティスは6月13日、初の経口レニン阻害薬アリスキレン(開発
コード:SPP100、販売名:Rasilez)について、糖尿病を併発する高血圧患者
に対し、ACE阻害薬ラミプリルとの比較試験で優れた有効性を示したと発表し
た。試験結果はマドリッドで開かれた欧州高血圧学会年次総会で報告された。
高血圧治療薬としては10年余ぶりの画期的な新薬として期待しており、国内で
はフェーズ2試験を実施中。米国で06年4月に承認申請を行ったほか、欧州で
は06年末までに承認申請に向けた準備が進められている。
同試験は、糖尿病と高血圧を併発した837人の患者を対象に、8週間実施した
もの。平均坐位収縮期血圧(MSSBP)がラミプリル単独投与で12.0mmHg低下し
たのに対し、アリスキレン単独投与では14.7mmHg低下した。また、アリスキレ
ンとラミプリルを併用投与した場合では、MSSBPが16.6mmHg低下し、ラミプリ
ル単独投与に比べて併用投与のほうが、より有意な降圧効果を示した。
有害事象は最も多かったのが咳と頭痛で、発現頻度はラミプリル単独で最も高
く4.7%および6.1%。併用投与では1.8%および2.9%となり、単独投与に比べ
て低かった。アリスキレンは血圧調整において中心的な役割を果たしているレ
ニン系の活性起点であるレニンを直接阻害することで、レニン系活性を低下さ
せる薬剤。