中医協・薬価専門部会 年1回薬価改定に「反対」相次ぐ
公開日時 2006/07/12 23:00
「年1回薬価改定の導入は時期尚早」―。7月12日に開催された中医協薬価専
門部会で、年1回改定の来春からの導入を巡り、各委員から慎重論が相次いだ。
厚生労働省は7月下旬と8月下旬の2回にわたり、同部会で製薬業界の意見を
聴取した上で、「論点整理」を行う方針を示したが、「06年改定の検証も行っ
ていないのに拙速な議論には違和感がある」(日医代表)といった反対意見が
多数を占めた。実現には紆余曲折がありそうだ。
年1回改定は、06年度改定を巡る議論のなかで浮上した。結局、導入は見送ら
れ、継続審議となっていた。ただ、一部で政府が導入する方針を固めたと報道
されるなど、薬価専門部会の再開を待たず、実現の可能性が取りざたされてい
た。来春に改定するなら、中医協は基礎データとなる薬価本調査の概要などを
急いで決める必要があり、議論にもスピードが求められる。
さらに、現行の薬価基準制度は、薬価と実勢価の乖離を埋める仕組み。年1回
改定を実施すれば、毎年薬価は下がり続けることになるため、製薬業界から強
い反発が出ている。