協和発酵・松田譲社長 POC-Fast戦略を追求
公開日時 2006/07/18 23:00
製薬業界で医薬品シーズの枯渇が問題となるなか、協和発酵の松田譲社長は7
月14日に開いた記者懇談会で、「POC(人での薬効の証明)-Fast戦略」でこの
問題を切り抜ける考えを強調した。松田社長は「『投資』『開発』『生産』
『販売』をトータル・パッケージで効率性を追求するのが狙い」と述べたうえ
で「この路線に変更はなく、さらに追求していきたい」と語った。
POC-Fast戦略は、POCまでの期間短縮を進める手法で、新薬候補化合物の製品
化の見極めを迅速化するため導入した。POCを取得できれば、その領域で最も
強い企業とのアライアンスなど選択肢が広がる。
また、松田社長は、同社独自の技術を使ったポテリジェント抗体医薬で、がん
細胞を殺す活性を100倍以上に高めることで、投与量を大幅に減らし、製造コ
ストを大幅に下げる研究を進めているとした。
同社バイオフロンティア研究所で基盤研究に関するナショナルプロジェクトを
実施することで、資金面でリスクをヘッジしている取り組みも紹介した。