東京女子医大・内山教授 リピトール、海外で脳卒中の再発を予防
公開日時 2006/09/07 23:00
東京女子医大神経内科の内山真一郎教授は9月6日、ファイザーが開いたセミ
ナーで講演し、高脂血症治療薬リピトール(アルトバスタチン)80mg/日を用
いて、世界で初めて脳卒中の再発予防効果を示した「SPARCL試験」の結果を報
告した。海外で実施された試験で、日本人が参加していないことや、日本での
常用量が10~20mgと同試験の用量より大幅に少ないことから、国内の患者に対
しては「日本人での再発予防効果が証明されたことにはならない」と解説。日
本人を対象とした試験で、証明する必要があるとの考えを示した。
同試験は、北米、欧州、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドの205
施設で、過去6ヵ月以内に脳卒中または一過性脳虚血発作の既往歴のある患者
4731人を対象に実施。脂質低下療法による脳卒中患者の再発状況を、5年間追
跡調査した世界で始めての大規模臨床試験で、1次エンドポイントである致死
的・非致死的脳卒中発症がプラセボに比べ16%低下すると同時に、2次エンド
ポイントとして主要冠動脈イベントが35%低下した。
一方、試験では80mg/日という高用量が使われており、10~20mg/日を常用量
とする日本人で同様の結果があてはまるのかについては「日本人で証明された
ことにはならない」と説明。「現在進行中のプラバスタチンの10~20mgを用い
て脳梗塞患者の再発予防効果を調べる日本での全国多施設共同試験の結果と併
せて見れば、日本人を含めた患者で再発予防効果があるかどうかはっきりして
くる」との考えを示した。