日大医学部・湯沢教授 加齢黄斑変性症の発症率が欧米並みに
公開日時 2006/09/21 23:00
日本大学医学部眼科の湯沢美都子教授は9月21日、日本眼科医会が開いた記者
発表会で講演し、高齢化や食生活の欧米化に伴い、日本人の加齢黄斑変性症の
発症率が増え、ほぼ欧米並みになったと報告した。国内では発症前段階が推定
678万人にのぼり、患者数の多い滲出型は推定33.4万人という。
湯沢教授によると、九州の久山町スタディでの5年発症率は0.9%で、海外の
疫学調査と比較して、ほぼ同率(欧米は1%)になったと説明。「そう遠くな
いうちに日本も欧米並みになる」とコメントした。視覚障害の原因として4位
(89年では7位)に上昇しており、QOLの調査結果から「白内障や緑内障よりQ
OLが低い」ことも明らかにした。性別の発症率は、男性が1.9%で、女性の0.2%
に比べて高いことも分かっているが、「性差が見られる原因はまだ明らかにな
っていない」という。
要因としては、遺伝的要因もあるが、高齢化や太陽光、食生活の変化など環境
的な要因が大きいと指摘。そのリスクを低下させるための食事やサプリメント
の重要性が分かってきたとして、特定の栄養素を含む食品を摂取することが推
奨されるとした。具体的には、抗酸化ミネラル(亜鉛)、カロテノイド(ルテ
インなど)、抗酸化ビタミン(ビタミンC、E、A)、n-3多価不飽和脂肪酸、ω
-3脂肪酸を含む魚のほか、ポリフェノール、フラボノイドを含むハーブ類など
をあげた。